牛飼い指南書

農業で生産性のある豊かな人生を

信頼性の壁

子牛を買うときに、個人の農家から買うのと法人農家から買うので、なぜか信頼性が変化する経験はありませんか?

 

私はどうもこの信頼性のトリックに当てはまるようです。

 

この現象は、「個人間の取引と法人間の取引における信頼性の差」として知られています。

 

この現象が発生する理由には、ひとつは「個人との接触が直接であること」です。

 

個人との売買では、直接会って話をすることが多く、商品やサービスの品質や信頼性を直接確認することができます。

 

一方、法人や会社との売買では、取引担当者とのやりとりが主であり、商品やサービスの品質や信頼性を確認することが難しい場合があります。

 

牛においては、どこか「業務的」に牛を飼っている印象を受けるのもひとつの要因です。

 

業務的に牛を飼っているというのが悪いわけではありませんが、生産牛として買い付ける場合、少頭飼いで丁寧に飼われている可能性の高い「個人の農家」の方が信頼性が高くなると言う事です。


また法人や会社は責任の所在がわかりづらいです。

 

個人との取引においては、牛に問題があった場合、責任が明確であり、直接話し合いや交渉ができます。

 

一方、法人や会社との取引では、責任の所在が明確でない場合があり、トラブルが起こった場合の対応が難しいことがあります。

 

責任逃れができてしまうんですよね。


そして個人農家と法人、会社との違いとして大きなことは、情報のトレードが非対称性である事です。

 

個人との売買では、顔が見えるために相手の情報が容易に入手できます。

 

一方、法人や会社との売買では、情報が非対称であるために、信頼性についての情報収集が難しくなります。


これらの理由が重なり合って、個人との売買に比べて、法人や会社との取引においては信頼性に対する疑念が生じることがあるのです。

 

人が牛を買うときには、信頼性も一緒に買っているということを忘れてはいけませんね。