牛飼い指南書

農業で生産性のある豊かな人生を

早く産んでもらうためにできること(牛のお産)

牛飼いをしていると、どうしても人間の予定で、「この日に産んで欲しい」ってことがあります。

 

そんな時は、獣医さんに相談してホルモン注射などを使って段取りをするのですが、注射以外にもできることは一応あります。

 

一つは、運動です。

牛は運動をすると、子宮収縮を促すホルモンが分泌されます。

分娩前に牛を軽く散歩させるなどの運動なら簡単にできますね。

 

運動ができる環境にするのも効果的です。

分娩が早くなるだけでなく、子宮捻転が起こりづらくなります。(運動によって捻転が戻ることがある)

 

狭い部屋に牛をおくと、牛が同じ方向にしか歩かないことがあり、捻転しやすくなることがありますので、要注意です。


続いて、餌です。

特に粗飼料を多く与えると、分娩を促すことができます。

これは反芻をさせると、牛のホルモン(焼肉じゃないよ)や代謝が促されるからです。


最後に、適度なストレスを与えることで、子宮収縮を促すことができます。

 

たとえば、牛を分娩房に移動させたり、牛舎のレイアウトを変えたり、牛床を綺麗にするとお産が始まったりします。

 

ただし、過度な変化は大きなストレスとなり、逆効果になる可能性があるので気をつけたいですね。

 

ですが、これらの方法はホルモン注射よりも「自然な」分娩管理であるため、牛にとっては良いことだと思います。

 

できるだけ、牛のペースに合わせてあげましょう。

 

(胎児が大きいといった可能性がある時は、獣医さんに相談し、はやめの対応をすることも必要です。)