牛の分娩誘起に注射を使うことがありますが、あれってなんですか?って聞かれたことがあります。
はい、プロスタグランジンはホルモンです。
プロスタグランジンを投与すると、お産前の牛であれば子宮収縮を促進され、分娩を誘発する作用があります。
もちろんプロスタグランジンは分娩誘起にだけ使うわけではありません。
発情誘起にも使うことがありますね。
今回は、分娩誘起の説明なので、発情の話はまたの機会でします。
まず、具体的は大まかなプロセスは、プロスタグランジンによる作用で牛の子宮口を拡張させ、子宮収縮を促進することで、分娩を促します。
そもそもプロスタグランジンは、牛の体内で自然に産生されるホルモンであり、合成されたものを人工的に投与しています。
投与後の段取り例は、
「1日目の朝、一本目注射(経過観察)
→翌日の朝に2本目注射→その日の午後に分娩」
といった、スケジュールになります。
この方法は、子牛に対するホルモン作用と母体に対するホルモン作用をコントロールするものです。
ただし、牛のお産スピードは個体ごとに違うため、一本目の注射を打った日にお産が始まることもあります。
ですから、一本目の注射を打ったあと、厳戒態勢で待ちましょう。