人は自分自身が危険や事故に巻き込まれる可能性を過小評価し、他人事として考える傾向があります。
これを正常性バイアスと言います。
これは人間の自己防衛の一種であり、自己イメージを保護するために現実を受け入れにくくなる心理的なメカニズムです。
簡単に言えば現実逃避ですね。
事故や災害に関連して、他人が関与した場合、自己防衛の一環として、
「私はそんなことをしないから大丈夫」という心情になります。
この考え方は、自分を安心させるために適応的な反応と言えますが、時には自己保護の過程で現実を過小評価してしまうことがあります。
正常性バイアスによって、人は自分自身が危険にさらされる可能性を排除しようとする傾向があります。
その結果、予防措置を怠ったり、注意を欠いてしまい事故が起こります。
例えば、牛飼いにおいて、牛と接するのは当たり前ですよね。
他の農家で牛と人間との間で事故が起きても、
「自分は大丈夫、うちの牛は大丈夫」と、楽観視してしまいます。
また、「気をつけているから大丈夫」といった思考にもなります。
こういった心理的なバイアスに気付き、事故防止のためにも現実を客観的に評価することが重要ですね。